質 問
拒否権付株式の評価と利用方法について教えて下さい。
 
回 答
拒否権付株式の評価と利用方法

(1) 拒否権付株式とは
「拒否権付株式」とは、株主総会(取締役設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするものです。例えば、合併する場合や代表取締役の選任に関して、拒否権を持っている株式の株主総会の承認が必要となるということです。

(2) 利用方法
「株主総会又は取締役の承認を要する事項については、株主総会の決議又は取 締役の決定のほか、拒否権付株式を有する株主を構成員とする種類株主総会の 決議を要するものとする」としておけば、すべての事項に拒否権を持てる。
現オーナーに拒否権付株式を発行し、経営を監視し続けると同時に、株式の大半 は相続時精算課税制度等を利用して後継者に生前贈与する。
後継者がいない場合に会社の経営を任せるケースでは、経営を任される以上は社長をそう簡単に首にされては困るので、取締役の解任に関し拒否権付株式を持つ。
(3) 種類株式の発行手続
定款変更(株主総会の特別決議)
種類株式を発行する場合には、定款をもって各種の株式の内容および数を定めることが必要。よって会社が種類株式を発行するに際して、定款にこれに関する必要事項が定められていない時は、事前に定款を変更する必要がある。
種類株式の発行
種類株式の発行手続きは、上記定款変更が必要なことを除いて、普通株の新株を発行する場合と同じ。
(4) 普通株式から種類株式への変更
(例)甲の普通株式 1 株を「A 種拒否権付株式」に変更
□変更手続き
株主全員の同意で、変更を行う
※ 株主全員の同意で変更することについて
普通株式の一部を種類株式に変更することは、株式数に応じた方法ではなく株主平等の原則に反するため、認められない。ただし「株主全員の同意」が得られるのならば、例外が認められ変更も許容するのが通説。法務局も統一した見解を示しているとのこと。
◎ 劣後株式に変更する場合は、その変更の対象となる株主の同意書のみの添付で可能。
㊟ 普通株式から種類株式への変更は、各種株式の内容によっては、登記の可否の判断について事前に相談が必要と思われます。
(5) 拒否権付株式の評価(税務上の取扱い)
拒否権の有無にかかわらず普通株式と同様に評価する。